2011年02月13日 03:18
5月にドイツ・デュッセルドルフで開かれる「Eurovision Song Contest」のアイルランド代表が昨夜決まりました。
金曜夜のトーク番組「Late Late Show」がこの日は「ユーロビジョン代表選考会」仕様に変わり、番組内で代表候補曲5曲が披露され、アイルランド6地域の審査員票、そして電話(&携帯のテキスト)投票の総合ポイントで順位づけされ、一卵性双生児のポップデュオ「Jedward (John & Edward)」が歌う「Lipstick」が代表に選ばれました。
審査員投票では2地域で1位を獲ったものの僅差の2位。
総合ポイントの1/3を占める電話投票で1位を獲りライバル曲の「Falling」を逆転。
決定の瞬間はアンチJedwardの観客からブーイングも漏れましたが、本人たちは気にしていない様子でウィニングパフォーマンスを披露し番組が終了しました。
2009年にイギリスの人気オーディション番組「X Factor」に出場しライブショーに進出したこの2人。
特別歌が上手いわけでもダンスが上手なわけでもないけれど、ブッ飛んだ言動とパフォーマンスが注目され、賛否両論の中結局何週まで勝ち残ったんだろう、7週目くらいだったでしょうか。
その後はシングル、アルバムをリリースして好セールスを記録したほか、テレビでも引っ張りだこ。
今ではそのシリーズの優勝者より格付けが上のような気がします。
ユーロビジョンの歴史を語る上でアイルランドは欠かせない国。
最多となる7度の優勝を誇るも、近年は低迷続き。
2004年に予選が導入されてからは決勝進出を逃す年のほうが多く、最近では2006年の10位が最高。
昨年は起死回生を掛け1993年の優勝者Niamh Kavanaghに再び出場を依頼。
決して悪い曲ではなく予選は勝ち上がるも、本戦ではビリから数えたほうが早いという辛酸をなめました。
ここ数年のアイルランドの低迷には大きくふたつ理由があるような気がします。
ひとつは「曲が時代遅れ」だということ。
1992年からの3連覇を含めアイルランドが優勝したときの曲はバラード。
ポップで派手な演出が多い最近の流行に背くように「古き良き時代のユーロビジョン」つまりはバラードを好む人は少なくはないと思うものの、どの国からも高い支持を得られるかと問われると決してイエスとは言えないでしょう。
そしてふたつめは「演出がチープ」だということ。
バラード受けが良くないからとポップな曲を送りこんでも、衣装やヘアスタイル、楽曲アレンジやステージングなど視覚に訴える部分で「金のかかってなさ」が明らかだったら投票は望めません。
ステージに上がれる人数に上限があり、パフォーマンスは3分以内という規定。そして
「メイン歌手のクチパクが許されないのは当然として、コーラスも生歌でなければならない」
という独自の厳しいルールがあるなか、ここ数年上位に来る国からは:
■その条件下で最大限の良さを引き出せる曲を作る
■それをライブで歌える歌手を選ぶ
■曲と歌手の魅力を大きくアピール出来るディレクターを起用する
…という本気さを感じます。
「パフォーマンスの善し悪しに関わらず、旧ユーゴスラビアや旧ソ連の国々が隣合う国へ、そして政治的、民族的に友好な関係にある国へ意図的に投票する「ブロック投票」のせいで、昔から参加している「西側」の国々が上位にいけなくなった」
などと愚痴る国もあります。そしてそれは事実ではないとは言えません。
けれど、ブロック投票だけでは優勝にこぎつけられないのも事実。
アイルランドと同じように低迷が続いていたイギリスが、アンドリュー・ロイドウェバーをライターに起用して挑んだ2009年には5位に入り、過去一度も優勝したことがなかったフィンランドが2006年、過激な衣装のロックバンドを擁して初優勝を飾ったり、バイオリンを弾きながらキャッチーな曲を歌ったノルウェーが2009年ぶっちぎりで優勝するなど、良いパフォーマンスであれば「ブロック」云々は関係なく支持されることは結果に表れています。
そういった意味で今年のアイルランドの選考は賢明だったな、と思います。
ライターにはJLSやSugarbabesなどへ楽曲提供をするライターを起用。
ブリトニー・スピアーズの曲のテイストが含まれているように感じたけれど、それもきっと狙いなんでしょう。
決して歌が上手とは言えないJohnとEdwardの弱点をカバーするキャッチーさは生歌でも気にならないほどに変わっていたし、本番までの3カ月でステージングも改善されるだろうことを思えば、期待出来るActだと思いました。
そしてユーロビジョンを放送するアイルランドのテレビ局・RTE的にも、彼らに決まってホッとしているんじゃないでしょうか。
良くも悪くも国内で知らない人はいないこの双子が出れば、高視聴率は保証されたも同然ですね。
ユーロビジョンで失敗したとしても、それが今後に響かないネームバリューをわずか1年で確立したJedwardだったら、委縮せずに楽しませてくれるんじゃないか、と期待しています。
「Red Bullの飲みすぎじゃないの?」と思うような落ち着きのなさも含めて自分、この子たち好きだなぁ。
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